
海外での体調不良は、誰にとっても不安なものです。イギリスには「NHS(国民保健サービス)」という公的医療制度があり、日本とは仕組みが大きく異なります。渡航前にポイントを押さえておくことで、いざという時に慌てず対応できます。ご自身の滞在タイプに合った内容をご確認ください。
目次
NHS(国民保健サービス)とは?
NHS(National Health Service)は、イギリス政府が運営する公的医療制度です。税金によって運営されているため、加入者は原則として無料で医療を受けられます。(ワーホリなどの長期滞在ビザ保有者はこれが受けられる)
日本との最大の違いは「自由に病院を選べない」点です。どんな症状でもまず「GP(General Practitioner:かかりつけ医)」を受診し、必要に応じてGPから専門医を紹介してもらう仕組みです。また、予約から診察まで数週間〜1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
NHSでカバーされる主な医療
- GP(かかりつけ医)での診察
- 公立病院での治療・入院・手術
- 救急医療(A&E)
自己負担が発生する医療
- 処方薬(2025年時点:1処方につき約£10)
- 歯科治療
- 眼科検診・眼鏡
※「NHSはすべて無料」ではありません。
短期留学の方(ビザなし・6ヶ月未満)
ビザなしで6ヶ月未満の滞在をする場合、NHSの通常サービスは利用できません。ただし、救急医療(A&E)はすべての人が無料で受けられます。
薬局(Pharmacy)を上手に活用しよう
イギリスの薬局では、風邪薬・痛み止め・胃腸薬・アレルギー薬など市販薬が豊富に揃っています。軽い症状であれば、薬剤師に相談するだけで適切な薬を案内してもらえます。
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短期留学の方におすすめの対策:海外保険 + 日本語クリニック
短期留学の方にとって、現実的かつ安心できる備えは「海外旅行保険への加入」と「日本語対応クリニックの活用」の組み合わせです。
NHSが使えない短期滞在中に体調を崩した場合、プライベートクリニックを自費で受診することになります。費用は診察・処方箋・薬代を合わせると初回だけで£150〜£200以上になることもあります。保険に加入しておくことで、こうした医療費の負担を大幅に軽減できます。
ロンドンには日本語対応クリニックがあります
ロンドンには日本人医師・日本語スタッフが在籍するプライベートクリニックが複数あります。受付から診察まですべて日本語で対応してもらえるため、英語に不安があっても安心して受診できます。NHSと異なり、予約後に比較的スムーズに診てもらえるのも大きなメリットです。
① ジャパングリーンメディカルセンター
所在地(アクトン):Unit 7, Acton Hill Mews, 310-328 Uxbridge Road, London W3 9QN
所在地(シティ) :10 Throgmorton Avenue, London EC2N 2DL
電話:020-7330-1750(全クリニック共通)
診療時間:アクトンクリニックは365日診療
URL:https://www.japangreen.co.uk/
② ロンドン医療センター
所在地:234-236 Hendon Way, London NW4 3NE
電話:020-8202-7272
URL:http://www.iryo.com/
③ Dr伊藤クリニック(Dr Ito Clinic)
所在地:96 Harley Street, London W1G 7HY
URL:http://www.dritoclinic.co.uk/
※ 上記は在英日本国大使館が案内している機関です。受診前に必ず各クリニックへ診療状況をご確認ください。情報は変更になる場合があります。
日本語クリニックはロンドン中心部に集中しています
日本語対応クリニックはロンドン市内に限られます。ロンドン以外の都市(マンチェスター・エディンバラ等)に滞在される場合は、英語対応のプライベートクリニックを利用することになります。その際も海外旅行保険があれば費用をカバーできます。
YMS(ワーキングホリデー)・長期滞在の方
YMSビザや学生ビザで6ヶ月以上滞在する方は、ビザ申請時に「IHS(移民医療付加料)」を支払うことで、イギリス国民と同様にNHSを利用できるようになります。
IHSの料金目安(2026年時点)
- YMS(2年間):約£1,552
- 学生ビザ(年間):約£1,035
※ IHSはNHSを利用するための加入料です。支払いにより、滞在中はNHSのサービスをほぼ無料で利用できます。
到着後すぐにGP登録を!
IHSを支払っていても、GP(かかりつけ医)に登録しなければ医療へのアクセスが極端に悪くなります。体調が悪くなってからでは登録に時間がかかるため、到着後できるだけ早く、元気なうちに登録を済ませましょう。
STEP
自宅付近のGPを探す
NHSの公式サイト「Find a GP(https://www.nhs.uk/service-search/find-a-gp)」から、新規登録を受け付けているGPを探します。自宅・学校から通いやすい場所を選びましょう。
STEP
登録フォームに記入する
各GPのウェブサイト、NHSアプリ、または診療所の窓口で登録フォームを入手。住所証明(賃貸契約書・銀行明細など)を求められる場合があります。
STEP
登録完了・予約が可能に
登録が完了すると(通常1週間前後)、GPへの診察予約ができるようになります。
NHSに関する注意点
- 近隣のGPが満員で登録できない場合があります。その際はNHSサイトから別のGPを探しましょう。
- 予約から診察まで数週間〜1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
- 歯科(Dentist)はGP登録とは別に、NHSの歯科医への登録が必要です。空きが少ないため早めに探しましょう。
NHSを使った診察の流れ
STEP
GPに電話またはオンラインで予約
症状を伝え、予約を取ります。
STEP
GP診察
診察料は無料。専門医が必要な場合は紹介状を発行してもらいます。
STEP
処方薬は薬局で受け取る
医薬分業のため、薬は最寄りの薬局で受け取ります。薬代は1処方につき約£9.90。
STEP
専門医・病院へ(必要な場合)
GPからの紹介状をもとに受診。緊急性が低い場合、数週間〜数ヶ月の待機が発生することがあります。
緊急時の連絡先
・999 → 救急車・警察・消防(生命に関わる緊急時)
・111 → 緊急ではないが医療的なアドバイスが欲しい時(NHS無料電話)
・A&E(救急外来) → 大きな病院の救急外来。GP不要で直接受診できます
NHSだけでは不安な時は日本語クリニックも活用を
IHSを支払っているYMS・長期滞在の方も、日本語クリニック(プライベートクリニック)を利用することができます。NHSは原則無料ですが、「すぐに診てもらえない」「英語で症状を伝えるのが難しい」という場面では、日本語クリニックが大きな助けになります。
NHSと日本語クリニックの使い分け
NHSのGPが向いている場面
・慢性的な症状・継続的な通院が必要な場合
・費用をできるだけ抑えたい場合
・処方薬を定期的にもらう必要がある場合
日本語クリニックが向いている場面
・急ぎで診てもらいたい場合
・英語で症状を正確に伝える自信がない場合
・婦人科・メンタルなど、繊細な内容を母国語で相談したい場合
・旅行保険で対応できる場合
渡航前に海外旅行保険への加入を
滞在期間にかかわらず、イギリスへ渡航するすべての方に海外旅行保険への加入をお勧めします。NHSでカバーされない医療(プライベートクリニック・歯科・眼科など)や、カードの紛失・盗難・航空機トラブルなどにも備えることができます。
弊社SUKでは、上記の条件をクリアした海外留学保険をご紹介可能です!
渡航前に準備しておきたいこと
□ 海外旅行保険に加入する(全員必須)
□ 歯の治療を日本で済ませておく(NHSの歯科は予約が非常に取りにくい)
□ 常備薬・持病の薬は十分な量を日本から持参する
□ 持病がある方は英文の診断書・処方箋を用意しておく
□ ロンドンの日本語クリニックの連絡先をスマホに保存しておく
□ 加入した保険の連絡先・内容をスマホに保存しておく
□ 長期の方はNHSアプリをスマホにインストールしておく
カウンセラー堀口NHSの歯科医は予約が非常に取りにくく、数ヶ月待ちになることもあります。費用も発生します。渡航前に必ず歯科検診を受け、治療が必要な箇所は日本で済ませておくことを強くお勧めします。
準備についてご不明な点はお気軽にご相談ください
医療面の準備も含め、渡航前にご不安なことがあれば当センターSUKへお気軽にご相談ください。留学タイプや滞在期間に合わせて、必要な準備をご一緒に確認します。





